うちの子 偏食?好き嫌い?

フライドポテト

好きなものは食べるけど、苦手なものは食べない…そんな状況のことを「好き嫌い」と言いますよね。それと似たような場面で、「偏食」と言ったりすることもありますが、この2つの言葉の違い、意識したことはありますか?
親同士の会話で「うちの子、偏食で…」と話していても、どの程度食べないことを偏食と言うかは、かなり個人差があるようです。

他の国でも偏食は、picky eaterとかfussy eaterという表現があります。日本では「偏食」という言葉について医学や栄養学上のはっきりとした定義はないのですが、小児医療の分野では、健康に影響するくらい食べられない子のことを偏食と呼ぶことが多いようです。

食事の状況がどう違うかというと、好き嫌いの子は、たくさんある食べ物の一部が食べられない。つまり、食べられないものを数えることができる子。一方、偏食の子は、たくさんある食べ物の一部しか食べられない。つまり、食べられないものは数え切れず、食べられるものを数えたほうがはやい子ということになります。

好き嫌いの子は、苦手な食べ物があったとしても、代わりとなる食べ物を食べることができます。例えば、緑のピーマンは食べられなくても、人参や赤いパプリカ、生の果物が食べられれば、栄養不足になることはありません。また、苦手な食材でも調理法を工夫すると食べられたり、給食などみんなで食べる場面ではがんばって食べられる子は「好き嫌い」と言えるでしょう。

ところが、偏食の子は、代わりとなる食べ物を見つけることがとても難しいくなります。野菜や果物が一切受け付けられない、ご飯や麺・パンなどの白い食べ物しか食べない…など、代わりの食材で栄養を確保するのがとても難しかったり、できなかったりします。また、生活面では、給食を食べずに夕方まで過ごしてしまったり、給食の時間が辛くて登校したくなくなったりもします。
こうした食べられない状況が何か月も続くと、栄養欠乏の症状が出てきます。食べられないものによって症状は様々ですが、口内炎や肌荒れ(ビタミンB2不足)、貧血(鉄不足)などは見つかりやすい症状です。さらに壊血症(ビタミンC不足)など、入院して治療が必要なケースもでてきます。

見守ってOKか サポートが必要かを見極めて。

好き嫌いと偏食の違い、理解していただけましたか?
この違いを知ったうえで、「うちの子は好き嫌いみたいだから、もう少し見守って良さそう」とか、「うちの子は偏食かもしれないから、何かサポートが必要そう」という判断をすることになります。

偏食のお子さんへ食事を出し続けることは、保護者の忍耐力も試されます。サポートに関しては、お子さんだけではありません。ママやパパが「助けが必要」という場合だってOKです。その子の食べられない理由に合わせた治療や支援を見つけて、少しずつ食べられるものを広げていきたいですね。

好き嫌いの子も、時間が経てば改善していく…とは言え、親としては少しでも食べられるようになってほしいですすよね。そんな時はぜひ、食育でのアプローチに加え、偏食の子のために開発されてきた特別なサポートの方法も参考にしてみてください。