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こどもが食べない理由が分からない
お子さんとの食事の時間がしんどい
ついイライラしてしまう
この記事のゴール
パパママがお子さんの好き嫌いの本質を知ること
食べることへの苦手ポイントを探る、観察の仕方を知ること
毎日の食事で子どもが決まったものしか食べなかったり、食事を食べないと、それだけで心配になったりイライラしたりしてしまいますよね。
改善のスタートは、その子の食べることへの苦手ポイントを探ることから始まります。
ちょっと落ち着いて、様子を観察してみましょう。
もくじ
なぜ観察の目線を持つ必要があるの?
子どもの好き嫌いの様子を観察してみると、子どもがどんな気持ちで嫌がっているのか、好きな食べ物はなぜ好きなのか、理由や傾向が見えてきます。理由や傾向が分かると、目の前のお子さんに何をしてあげたらいいのか、作戦を立てることが出来るようになります。
また、この観察の目線は、病院や専門家に相談する時に、ポイントを押さえて状況を伝えるうえで重要になってきます。
とはいえ、普段意識せずに食べられるようになっている大人からすると、何をどう観察してよいのかわかりませんよね。はぐもぐ編集部がこれまで聞いてきた「食べない理由」を次にまとめてみました。
こどもが食べない時に、どんな理由があるのでしょう?
子供が食べない33の理由(はぐもぐ調べ)
このほかに、歯が生えかけ・抜けかけで痛いという時期的なことや、食物アレルギーが隠れていることもあります。
もっと色々な理由があるかもしれませんし、複数の理由が混ざっていることもあります。
食べてくれない子が、どのポイントで食べる食べないを選んでいるのかを想像しながら観察してみましょう。
子どもの「食べない」はどんなタイプ?
お子さんの食事を観察してみて、どんなタイプの「食べない」なのか考えてみましょう。お子さんの様子から、つまずいているポイントを推測できます。
ここでは、藤井葉子先生の著書「発達障害児の偏食改善マニュアル」の中から、食べない理由のタイプを紹介させていただきます。
噛む・飲み込む(咀嚼嚥下)つまづきタイプ
どんな様子?
・丸のみ(ゴクンと飲み込む)
・どんどん詰め込む
・固形物を食べない
・えづく(オエッっとなる)、吐く
・小さいものや葉物野菜(薄いもの)が苦手
・生野菜が食べられない
・柔らかい料理しか食べない
・汁で流し込んで食べている
視覚が影響するタイプ
〈どんなことが起こる?:見た目にとらわれがち〉
どんな様子?
・特定の形状(細切り・そぼろなど)なら食べられる
・気になる物が見えると落着いて食べられない
・特定の食器(同じ食器・哺乳瓶)でないと食べない
・同じパッケージでないと食べない
・見た目が変わると食べない
・特定の色しか食べない(特定の色を食べない)
聴覚が影響するタイプ
〈どんなことが起こる?:聴覚の敏感さで周りが気になる〉
どんな様子?
・周りが賑やかだと落ち着いて食べられない
・泣き声や大きな音が苦手
味覚が影響するタイプ
〈どんなことが起こる?:味覚の敏感さ・鈍さがあり、味の感じ方が影響して食べられない〉
どんな様子?
・お茶や水が飲めない
・お茶や水しか飲めない
・味が薄いと食べられない
・味が濃いと食べられない
・同じ味だと食べられる
・特定の味が食べられない
触覚の影響
〈どんなことが起こる?: 触れた時の感触や温度に敏感・鈍い〉
どんな様子?
・液体が苦手
・水分がとれない
・ねっとりしたものが苦手
・スプーンを拒否する
・手で食べることが多い
・奥歯に当たる感覚が苦手
・好みの温度でないと飲んだり食べたりできない
嗅覚の影響
〈どんなことが起こる?:嗅覚の敏感さ・鈍さ〉
どんな様子?
・匂いがすると食べられない
・匂いがすると部屋に入れない
固有感覚の影響
〈どんなことが起こる?:強いこだわり(心地よいと感じ受け入れられる感覚が少ない〉
どんな様子?
・軟らかいものを食べない
・硬いものしか食べない
・揚げたものやカリカリしたものなら食べる
このほかに「不安が強いお子さん」は中身がわからないメニュー(ハンバーグやカレー)を好まなかったり、食べなれたものへのこだわりが強くなりがちです。
発達障害児の偏食改善マニュアルには、タイプ別の対応方法などが具体的に書かれているので、試してみたい方はぜひじっくり読んで実践してみてください。
まとめ
・親子ともに苦しくならないことを前提に、できることの試行錯誤をここからやっていきましょう。
・藤井先生の本やこのサイトを見て、無理なくできることを探してみましょう。
・パパママの心構え
保護者が家でパパとママでいられるように、食卓につく時は笑顔でいられるように、専門的な情報やアドバイスは専門家に相談しましょう。学ぶことは大切ですが、家や食卓が療育や訓練の場になってしまうと、親子がしんどくなってしまいますよね。
・パパママができることは・・・
1人で解決しようとしないことです。
困ったときに専門家に相談しやすくなるように、相談するポイントが分かるようになったり
相談先がわかったり、選ぶポイントが分かるようになるといいですね。
最後に・・・はぐもぐの思い
病気の時に病院を頼るのは当たり前ですが、お子さんが食べない時には困っても自分たちで何とかしなきゃ、解決しなきゃ!と思いがちです。
実は、食べることが上手になることは、本能ではなく、学習していくことです。
食べないことは、専門家や医療機関に相談できることでもあるんです。
困ったときは、上手に専門家や支援者につながりましょう。
参考文献
・大山牧子「こどもの偏食外来」診断と治療社(2023)
・山根希代子,藤井葉子「発達障害児の偏食改善マニュアル」中央法規出版株式会社(2019)
・金子芳洋,向井美恵,尾本和彦「食べる機能の障害」医歯薬出版株式会社(1987)
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